ノーベル賞
2016/02/17
昨日、ノーベル経済学賞にアンガス・ディートン氏が決まったことが発表された。今年の夏に亡くなられた青木先生がご健在であればと思うところもあるが、村上春樹氏同様、期待される人のところには届かないのかもしれない。
とは言え、今年は2人の日本人科学者がノーベル賞を受賞しためでたい年であった。大村先生が生理・医学賞を、梶田先生が物理学賞の受賞であった。
ところで今回の2つの受賞には静岡県が大きく貢献している(ちょっと大袈裟だが)。
大村先生は静岡県伊豆・川奈のゴルフ場の土壌から寄生虫が原因の熱帯病の特効薬となる物質「エバーメクチン」を作り出す微生物を発見した。
その後、メルク社との共同研究でエバーメクチンを化学誘導することでイベルメクチンを開発、多くの人々を救うこととなった。
因みにゴルフのプレイ中に採取した土から見つけたらしい。いつでも土を採取出来る用に、絶えず小さな袋を持ち歩いているとか...頭が下がる。
一方、梶田先生はスーパーカミオカンデでニュートリノに質量があることを証明するニュートリノ振動を発見した。
このスーパーカミオカンデは50,000トンの超純水を蓄えた直径40m、深さ41.4mのタンクと、その内部に設置した11,200本の光電子増倍管からなるのだが、この光電子倍増管の製造元が静岡県の浜松に本社を置く浜松ホトニクス株式会社である。
同社の光電子倍増管はスーパーカミオカンデのタンクに満たされた超純水の中をニュートリノが通過する際に発せられるチェレンコフ放射を観測するために設置されている。
この話しは2002年に小柴先生がノーベル物理学賞を受賞した際、それに貢献したカミオカンデに設置されていたことで知っている方も多いかもしれない。
なお、カミオカンデ、スーパーカミオカンデの次はハイパーカミオカンデになるらしく、そこに設置される光電子倍増管はスーパーカミオカンデに設置されているものよりさらに感度が50%アップしたものになるらしい...大変なことだ。
静岡の星、浜松ホトニクス社には今後も頑張ってもらいたいものである。
来年のノーベル賞でも静岡県が貢献できることを期待して...